主要国連機関の人事政策動向2019

当センターが入手した最新人事政策動向をお知らせします。

*ワシントンでの世界銀行、ニューヨークのUNFPA、UNICEF、ジュネーブのWHO、当センターと各機関の人事担当部長等との意見交換に基づく情報です。

2019年2月のワシントン・ニューヨーク出張を終えて

世界銀行について

  • 今まで殆どのヘルス・セクター関係者には知られてこなかった世銀のリクルート状況の概要が理解できるようになったことは大きな収穫でした。
  • 他の国連機関より制度が複雑であることがわかり、グローバルヘルス人材戦略センター(以下、センター)は、世界銀行に特化したキャリア・ディベロップメント・セミナー/ワークショップを検討しています。
  • その前提として、財務省、外務省(国際機関人事センター)、センターで打ち合わせの会合を持つ予定です。
  • 世界銀行面接対策ガイド(WBG Interview Guide 2018)をセンター公開リソースとします。

UNICEF、UNFPAについて

  • UNICEFから指摘があった、中進国にsecondmentを出すという発想は、今まで乏しかったが、我が国の成長戦略としての医療とからめ、マルチ・バイの仕組みとし検討の余地があります。これはセンターというより、より大きな土俵でのこととなりますので、厚生労働省国際課、外務省国際保健政策室に提言します。
  • UNFPAの大口ドナーとして本部ポジションへの送り込みの機会を漏らさないように留意するとともに、内部者優先ではないので、92%を占めるフィールドポストへの若手の送り込みを行います。

上記3機関を総括して

  • UNFPAを除き、各機関は内部候補者優先を打ち出しているで、内部昇進の支援をセンターとして強化すべきではないかと感じました。例えば、若手が弱点と述べる能力強化措置や、機関内のメンター制度の創設支援等が考えられます。
  • また、まず内部に入りこむために、JPO、世銀のYP、一部機関で始まったセコンドメントなど、さまざまなオプションを整理して、希望者に提示できる様な体制をセンターとして強化すべきではないかと考えています。
  • オールジャパンで、日本人を国際機関に送り込む体制を作ることが重要です。

2019年5月のジュネーブ出張を終えて

WHOについて

  • 採用プロセスの変更  従前のプロセスに加え、足切りとして、ビデオ・インタビューで典型的な質問に答えるプロセスが追加されています。現時点では試行的に行われていますが、制度として定着する見込みです。テーマは、志望動機などの定型質問を想定していますが、テクニカルな質問もされる可能性があるので、真剣に取り組む必要があるとのことです。CVとビデオ・インタビューの上位成績者には、従来通り、選考委員会からコンピテンシー・ベースド・インタビュー(加えて小論文)が行われ、最終的には、地域・性別バランスなどを総合的に判断して採否が決定されます。
  • WHO幹部人事  WHO本部では組織改編が進められていますが、局長と部長人事の骨格が決まったため、これから凍結されていた幹部リクルートが進行する見込みです。新規部長公募は6月冒頭から始まると思われ、10~12位の部長ポストが公募される見込みです。公募期間はミニマムで3週間となることが予想されますので、関心のある方は、情報を漏らさないように人材登録・検索システムに登録され、タイムリーな応募をおススメします。その波が終わると、課長級(P5、P6)の補充が夏以降行われるとのことです。
  • インターン制度の改変  WHOは、途上国からのインターンを増やすことに熱意をもっており、彼らをサポートするために、受け入れ部局から所在地出張日当の20%相当額を徴収して(注;インターン本人ではなく受けいれ部局が払うことがミソ)それをプールして奨学金的に支給する方向で準備が進められています。この変更は、2020年1月から始まり、いずれHPで広告されるとのことですが、受け入れ部局は、自分の予算を使いますので、プログラムに具体的に貢献してもらうインターンを受けたいと願うはずです。これにより、受け身で見学するのではない質の高いインターン(少なくとも修士号取得者)が配置され、併せて、途上国からのインターンには援助がなされるという相互に利益がある制度設計になっているとのことです。ただ、我が国の大学学部あるいは修士課程学生のハードルは高くなります。また、WHOが受け入れるVolunteerも、研究休職(sabbatical)中の教員・研究者を受け入れるというイメージで改善が図られることになります。

 

主要国連機関の人事政策動向2018

当センターが入手した最新人事政策動向をお知らせします。

*ニューヨークのUNDP、UNFPA、UNICEF、ジュネーブのWHO、マニラのWHO、WPRO、ADBにて行われた、当センターと各機関の人事担当部長等との意見交換に基づく情報です。

国連について

  • 国連は、趨勢として本部の肥大化の防止と国レベルの機能強化を掲げており、それがリクルートメントにも反映されつつあります。即ち、本部の新規採用は抑制的であり、国レベルのリクルートの可能性があります。
  • 日本の職員の過少は十分認識されています。また、女性登用の趨勢も加速しているため、邦人、特に女性の競争力は相対的に高まっています。
  • インターンおよびボランティアの制度があり、将来、国連機関への就職を希望する学部生および卒業生が、社会経験を積む上でこの制度を活用できます。

WHOについて

  • WHO は、テドロス新事務局長が着任して組織の見直しを行っているため、本部は2018年3月末までの予定で原則新規採用を凍結中です。なお、機能維持のための幹部ポスト、例えばIT部長や、MCH部長、高齢者部長のポスト等は、公募中、あるいは公募予定となっています。
  • 新事務局長は女性登用や、各国駐在のWHO事務所の強化を掲げており、途上国における比較的ジュニアレベルのポストは継続して募集される見込みです。
  • 2019年より人事の新陳代謝を図るため地域ローテーションが始まります。そのため、地域事務局や国事務所において空席が生じた場合、まず内部で異動可能な人材が配置される可能性があります。また、定年の65 歳への引き上げが始まりますので、WHOへの送り込みは困難さを増すことが予想されます。
  • インターンおよびボランティアの制度があり、将来、国連機関への就職を希望する学部生および卒業生が、社会経験を積む上でこの制度を活用できます。

UNDPについて

  • UNDPには、グローバルファンドのPrincipal Recipientとしての保健関連ポストが国レベルで約350ポストあり、こうしたポストへ邦人を送り込む可能性もあります。
  • インターンおよびボランティアの制度があり、将来、国連機関への就職を希望する学部生および卒業生が、社会経験を積む上でこの制度を活用できます。

UNICEFとUNFPAについて

  • JPO制度に加えて、New and Emerging Talent Initiative (UNICEF)、SecondmentおよびGratis Personnel制度、Leadership Pool Assessment (UNFPA)、国際機関キャリア開発セミナー(UNFPA)、日本への採用ミッションの派遣など、邦人職員採用のための様々な制度や機会があります。これらと連携した上で職員の送り込みが可能です。
  • インターンおよびボランティアの制度があり、将来、国連機関への就職を希望する学部生および卒業生が、社会経験を積む上でこの制度を活用できます。