WHO西太平洋地域事務局 HIV・肝炎・性感染症課
石川 尚子 氏

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WHO西太平洋地域事務局のHIV・肝炎・性感染症課に勤務しています。秋田大学医学部を卒業後、病院勤務を経て、1997年から国境なき医師団、JICAプロジェクトなどを通じて海外での医療活動に関わってきました。大学院で公衆衛生と感染症対策を学び、その後HIVに関する研究を行ったのをきっかけに、2007年から国立国際医療研究センターに勤務し、開発途上国における感染症対策に関する業務に携わりました。また2012年から一年間、厚生労働省大臣官房国際課に勤務する機会を得、日本政府の立場からWHOや世界基金などに関わりました。2013年半ばに国立国際医療研究センターに戻り、疾病対策グループ長として勤務していた際に、WHO西太平洋地域事務局のHIV・肝炎・性感染症課のポスト(P4)が一般公募されたことを知り、応募しました。

国際機関での勤務は長年の夢でした。国立国際医療研究センターの上司や同僚をはじめ、多くの方が国際機関への応募を温かく応援してくださいましたが、当時はまだ現在のような組織的な支援システムが存在せず、個人的に先輩や知人を通して情報を収集し、試験やインタビューの準備を進める必要がありました。

幸い採用が決定し、2014年7月からWHOでの勤務を開始しました。これまで主に、HIVを含む性感染症対策、HIV・B型肝炎・梅毒の母子感染予防、医療財政に関する業務を担当してきました。

2017年10月にHIV・肝炎・性感染症課長ポストが空席となりました。自分自身の中で、3年間のテクニカルオフィサーとしての仕事には満足しつつも、管理職にも挑戦してみたいという気持ちが育ちつつあったこと、また周囲からの勧めもあり、挑戦することにしました。

今回はグローバルヘルス人材戦略センターより、国際機関への応募に関する情報を提供していただきました。国際機関は採用の際に、コンピテンシーベーストインタビュー(これまでの自身の経験をもとに、職務で必要とされるコンピテンシーを有していることをアピールする)を行っていますが、これには十分な事前準備が必須となります。今回、筆記試験の出来があまり満足のいくものではなかったため、なんとかインタビューで挽回しなくてはと考え、早めに準備を始めましたが、その際に人材戦略センターからいただいたインタビューに関するコツが大変参考になりました。その結果、無事採用通知をいただくことができました。

私自身、仕事をしている際に、日本人であることや女性であることを意識したことはあまりないのですが、WHOの専門職は未だ女性より男性が多く、特に管理職にその傾向が顕著であること、まだまだ日本人職員数が少ないことを考えると、応援してくださった皆さんの期待に応えられるよう、頑張らなくてはと身が引き締まる思いです。

今後、国際機関での勤務を考えている場合には、ぜひインターンシップやボランティア制度を活用して、どのような業務が行われているのか、どんな人材が必要とされているのかを実際に体験してみることをお勧めします。当課でも多くのインターンシップの学生さんやボランティアを受け入れてきましたが、その中の優秀な人材は、その後短期スタッフとして採用されたり、改めて国際機関の空席に応募したりしています。