国連人口基金(UNFPA)アジア太平洋地域事務所
人口高齢化と持続可能な開発に関する地域アドバイザー
森 臨太郎 氏

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国連人口基金(UNFPA)のアジア太平洋地域事務所で、人口高齢化と持続可能な開発に関する地域アドバイザーとして、2018年11月より勤務しています。任地はバンコクです。

私はもともと国際的なことには興味がありましたが、生まれ故郷である神戸が1995年に地震にあい、そこで医療ボランティアの機会をいただいたことが直接的なきっかけとなって、グローバルヘルスに興味を持つようになりました。岡山大学医学部を卒業後は、日本で小児科医として研修・勤務ののち、豪州で診療する中で、ネパールでの医療協力や、州単位の医療システムにも関わる機会をいただきました。こういった経験から公衆衛生や政策に興味を持ち、英国(ロンドン大学熱帯医学・公衆衛生学大学院)で公衆衛生の勉強をしたあと、英国保健省下にある、NICEという組織で、国のガイドラインを作成する仕事に就きました。英国保健省での業務では、英国政府だけではなく、日常的に世界保健機関やコクランといった、グローバルレベルでの政策策定との連携がありました。帰国後は、東京大学や国立成育医療研究センターなどに所属して、主に研究者として、世界保健機関の多くのガイドライン作成にかかわったり、グローバルヘルス、特に持続可能な保健や医療の制度について、勉強・研究しておりました。一年足らず、世界保健機関に出向して、G8やアフリカ開発会議の開催をお手伝いさせていただく機会もいただきました。

2018年の4月ごろに、今回のポストが公募になっている旨を、グローバルヘルス人材戦略センターから教えていただき、応募の結果、当時所属していた国立成育医療研究センター(政策科学研究部長)から、採用となりました。このポストは、世界的に人口高齢化が進む中で、健康や福祉を中心に、社会政策の転換を各国が進めるにあたって、国際機関側からの支援を必要に応じて行うべく作られた新規のポストです。人口高齢化はアジア太平洋地域で最も進んでいることもあり、他の地域に先駆けておかれました。

前任者がいないため、さまざまな関係者と相談しながら、どのような業務としていくか、考えたり、調整をしたりしながら、さっそくさまざまな相談も各国からいただいている状況で、楽しく仕事をさせていただいております。

国連人口基金のアジア太平洋事務所は、同基金の地域事務所の中では最も予算も大きく、西はイランから、北はモンゴル、東は太平洋州の国々まで含めた、最もさまざまな国を担当しています。国連アジア太平洋経済社会委員会の本部があるバンコクは、世界中にある国連組織の中でも、ニューヨーク、ジュネーヴに次いで、三番目に大きいと聞いております。

今回の採用に当たっては、グローバルヘルス人材戦略センターには大きな支援をいただきました。豪州や英国での求職活動や、逆に面接をする側でもあったので、グローバルスタンダードの業務概要や履歴書の書き方や考え方、Competency-based interviewについては一定の知識と経験はありましたが、国連特有の言い回しや職務文化もあるため、いただいたアドバイスがとても助けになったと実感しております。

健康医療分野の国際機関では世界保健機関の存在感は大きいのですが、国連人口基金といった国連機関にも目を向けていただきたいと思っています。リプロダクティブヘルスや、世帯調査、人口高齢化といった、「人口問題」をマクロとミクロの視点で取り組む機関ですので、興味の接点を持つ方も多いのではないかと思います。また、国連人口基金は比較的小さい機関であることもあり、人材の育成やマネジメントといった面では実は評判が高い機関です。国連人口基金で経験を積んで、他の国連機関に昇進していくといったような例も多く、様々な視野でご検討いただけるとありがたく存じます。また、国連人口基金に限らず、上記のキャリアから踏まえて、なにか私のほうでご相談に乗れるようなことがあれば、ぜひお知らせください。