ご挨拶

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医療援助や国際保健という概念では捉えきれない魅力のある分野として、グローバルヘルスが興隆しつつあります。21世紀初頭の地球規模での健康投資の結果、不健康と貧困の連鎖が途上国で断ち切られ、世界はかつてないほど豊かに、そして、健康になっています。そこでは、世界の健康長寿の先端をゆく、日本の経験、ノウハウや医療技術が直に役に立ちます。さらに、つながりあった世界では、途上国の僻村でおこった感染症が瞬く間に世界中に拡散するリスクと背中合わせであることが、最近のエボラ出血熱のアウトブレークの例を見ても明らかです。

しかしながら、我が国から国際機関に行く方は下方傾向にあるのが現状です。保健関係についてみると、中国・韓国は過去5年間で50%の職員数増加を見ているのに対して、我が国は横ばいとなっています。その危惧感から塩崎前厚生労働大臣の下、国際保健政策人材送り出しのための報告書が取りまとめられました。その提言の核心部分は、グローバルヘルスに関わる国際機関は、WHOなどの国連機関のみならず多様化してきているため、求められる人材も公的セクター勤務の保健医療人材以外の有為な人材が活躍できるようになったことでした。それを裏返すと、新しいアプローチをする必要があること、そして、人材の送り出しと開発に関する司令塔機能が必要であることの2点でした。

これらを背景に、厚生労働省委託費を得て、本センターが国立国際医療研究センター内に開設されました。その主たる機能の第一は、国際機関等の人事情報を出来るだけ早く把握して、我が国にとって戦略的に重要なポストについて積極的に候補者の発掘をすることです。次に、職員の採用という競争試験において競争力のある方に受験していただくために、競争力強化のための研修を実施します。また、候補者は必ずしも国内居住者に限らず、既に国際機関に勤務されている方や海外の大学等にいらっしゃる方のキャリアアップのご相談にも応じます。

グローバルヘルス人材戦略センターは、これらの機能を漸次充実して参りますので、関係者の皆様のご支援・ご協力をお願い申し上げます。

 

グローバルヘルス人材戦略センター長
(国立国際医療研究センター担当理事)

中谷 比呂樹

Dr. Hiroki Nakatani
Director,
HRC-GH/NCGM (former ADG/WHO/HQ)